地域課題調査研究委員会

地域の伝統や文化が見直されている現在，気候風土的・文化的側面から人間-生活環境系にかかわる地域の課題や特徴を明らかにし，地域に適した方策や地域の魅力づくりについて探求することは，非常に重要な視点であると考える。例えば，人間生活における省エネルギー対策についても，地域の気候的特性とともに環境調節行動や生活習慣などの地域生活・文化にかかわるものがあり，効果的な省エネルギー対策には地域特性を踏まえた綿密な計画が必要であると考えられる。

本研究委員会では，日本各地における地域的課題や特徴を明らかにすることを目的とし，全国の人間-生活環境系にかかわる研究者が連携・協議し，体系的な調査（主にアンケート調査）を実施する。この様な研究者の連携による継続的な全国調査を通じて，人間-生活環境系にかかわる多様な観点からの研究成果の蓄積が促進されることが期待される。

本研究委員会は，地域の伝統や文化が見直されている現在，気候風土的・文化的側面から人間-生活環境系にかかわる地域の課題や特徴を明らかにし，地域に適した方策や地域の魅力づくりについて探求することを目的としている。研究初年度の2015年度には，低炭素社会の構築に向けて2020年度以降に住宅においても義務化が予定されている省エネルギー基準（改正省エネ法）についての地域企業・団体等の対応，及び省エネルギーにかかわる居住者の行動・意識についてのアンケート調査内容について検討を実施した。

2016年度においては，前年度検討を行ったアンケート調査について企業・団体等と居住者を対象に実施する。

研究委員会のメンバーが所属する地域を4区分（北海道，東北・中部，関東・東海・関西，九州・沖縄）し，インターネットによるアンケート調査を実施する。調査時期は8月～9月を予定する。調査項目は，企業・団体等の属性（所在地，従業員数など）と改正省エネ基準への対応（義務化への理解，基準を実現するための方法など）とする。

研究委員会のメンバーが所属する地域を4区分（北海道，東北・中部，関東・東海・関西，九州・沖縄）し，居住者（大学生とその保護者）にアンケート調査を実施する。調査時期は，夏季休業前（７月）または冬季休業前（12月）を予定し，調査項目は，回答者属性（性別・年齢，暖冷房換気設備の状況など）と省エネルギーにかかわる行動・意識（冷暖房の使用状況・設定温度，高効率機器の購入（選択）意識など）とする。本研究で得られた成果は，人間－生活環境系学会のシンポジウムとHPで報告する。

委員長	桒原　浩平	（釧路工業高等専門学校）
幹　事	深沢太香子	（京都教育大学）
委　員	渡邊　慎一	（大同大学）
	垣鍔　直	（名城大学）
	庄山　茂子	（福岡女子大学）
	西原　直枝	（聖心女子大学）
	橋本　剛	（筑波大学）
	堀越　哲美	（愛知産業大学）
	山岸　明浩	（信州大学）